こんにちは。近年、「米津玄師(ハチ)」さんや、「ヨルシカ」のn-bunaさん、「須田景凪(バルーン)」さんなど、ボカロPとして活躍してきたアーティストの方々がメジャーなシーンで活躍している姿も珍しくなくなってきました。
一時期はアンダーグラウンドなもの(と見なしている人が多かった)「ボカロ」や「歌い手」の文化ですが、「ボカロ系」と呼ばれていた音楽ジャンルは、ストリーミング配信の充実や「Youtube」が普及したことで楽曲が広まる機会が拡大したことなどに後押しされ、注目のジャンルへと進化しており、それらを踏襲した曲作りを行っているアーティストがとても増えてきています。
また、「Vtuber」の登場により、「歌い手」という文化自体にもより磨きがかかっているように感じます。
学生時代ボカロ曲を聴いてきた私にとっては、なじみのあるジャンルが日の目を浴びてきて素直にうれしい気持ちです。
今回は、ネットを中心として精力的に活動しているアーティストを4名(グループ)紹介していきたいと思います!
1.ずっと真夜中でいいのに。


”ずっと真夜中でいいのに。”は、ボーカル兼フロントマンの”ACAね”さんを中心とした音楽ユニットです。略称は「ずとまよ」。
ユニットの特徴としては、
①ACAねさん以外のメンバーのプロフィールが不明。ソロユニットであるともそうでないとも言及されていない。楽曲のアレンジを外部のクリエイターを迎えておこなっている。
②2018年6月に突如「秒針を噛む」のMVを投稿し、一躍有名になる。
という点です。
①について、ずとまよはフロントマン以外のメンバーを固定しないバンドということになるでしょうか。同じ形式で楽曲発表をしているバンドに「Nulbarich」が挙げられますね。
②について、私はこのMVが投稿されて5日後くらいに初めて視聴しましたが、その時の衝撃たるや。これが新しい音楽シーンの一つになるな、と確信しました。Youtubeという媒体の拡散力にも驚愕しました。
正式なメンバーのプロフィールが明かされていなくとも、楽曲の世界観やコンセプトには統一感があり、MVは考察のしがいがあります。これから最注目のユニットの1つです。
ずとまよを既存のジャンルに当てはめるとしたら、エモロック、もしくはオルタナティブでしょうか。ACAねさんを中心とした特殊なメンバー構成で、幅広い音楽性が表現されていると思います。ジャンルの枠にとらわれない音楽性を追求する姿勢が、独創的なワードセンスを持った歌詞に相まって、ユニットの世界観を裏打ちするものとなっていると思います。
2.ツユ
ツユは、歌い手でボカロPである”ぷす”さんとボーカルの”礼衣”さんを中心とした音楽グループです。2020年4月現在、Youtubeの登録者数は37万人を超えています。
2月19日には1stフルアルバム『やっぱり雨は降るんだね』をリリース。勢いのあるグループです。
楽曲の特徴としては、ボカロ感(便利な言葉)のある陰鬱な歌詞を、キャッチーなメロディーに乗せてポップミュージックに昇華しているイメージです。ボーカルの声に清涼感があり、かなり暗い雰囲気の歌詞であるにもかかわらずすっと心に入り込んできます。
↓この曲の歌詞をこれほど感情を込めて、かつ透明感のあるまま歌い上げるって相当すごいことだと思います。
あの世行きのバスに乗ってさらば。 幼い頃 殺めた命は数えきれず 小さな命を葬っては平然と笑って帰路についた 今になって考えたら真っ先に死ぬのは私でよかった うらうらとした周りの空気が濃くて 存在価値を奪うでしょ 生命線とか無駄に長いだけで 何の役にも立たないただのしわだよ 心の奥がしょうもない人生観を嘆いているの 耳に刺さる理想 吐き捨てて 消えてしまいたい生涯なんてもんにどんな値が付いて 自己中心的だって?思いの欠片も知らないで どうせ向こう数十年経った先では煙たがれて なら私を刺して殺して奪って去って あの世行きのバスに乗ってさらば
Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/tsuyu/ano-yo-iki-no-bus-ni-notte-saraba/
これからのさらなる活躍に期待がかかります!
3.Ayase(YOASOBI)
個人的にすごく注目しているアーティストです。
”Ayase”さんはボカロPでありながら、2人組ユニット”YOASOBI”で作曲を務めています。また、Youtube上では初音ミクが歌った楽曲をセルフカバーという形で投稿もしています。
↓の「ラストリゾート」という曲は、現時点で390万回超えの再生数を誇っていますし、「幽霊東京」のセルフカバーバージョンも100万再生を優に超えています。
ニコニコ動画への初投稿が2018年の12月24日でありながら、これだけのプロップスを得ていることから、Ayaseさんが新進気鋭のクリエイターであることがわかります。
ボカロPとしても、リズミカルかつ力強さを持ったメロディーに加え、卓越したアレンジセンスを持っていると思います。ミクさんの声に人格が宿ってます。
また、セルフカバー楽曲では、初音ミクの歌声が持つ魅力とは違うベクトルの”エモさ”を持った歌声によって実力を見せています。
ボーカルの”ikura”さんとの2人組ユニットである”YOASOBI”では、「小説を音楽にする」というコンセプトの元で、Ayaseさんの抜群のアレンジセンスが遺憾なく発揮されています。
Spotifyバイラルチャートでは、デビュー曲ながら堂々の一位を獲得。注目度の高いユニットとなっています。
曲の原作が小説ということで、小説の読後に楽曲を聴くと、より深みにはまっていくことができると思います。
↓ラスサビ前で鳥肌が止まらなくなる素晴らしい曲です。
どうしてこんなに素晴らしい曲ばっかり作れるんだろうと思うばかりです。
しばらくはYOASOBIの新曲が発表されるのを楽しみに生活しようと思います。
4.空白ごっこ
”空白ごっこ”は、ボカロPのkoyori(電ポルP)、針原翼(はりーP)と、ボーカルのセツコによる音楽ユニットです。
koyoriさんといえば、独りんぼエンヴィーで有名なプロデューサーさんですね。
はりーPといえば↓だと思います。個人的に。
”空白ごっこ”では、上述した楽曲にも現れているようなkoyoriさんの独特のリズム感や音の使い方に、はりーPのストーリーテラーとしての要素が合わさり、それをボーカルのセツコさんが歌うことで最大限表現している、という感じでしょうか。
初めて↓の楽曲(雨)を聞いたときは声の感じが”美波”さんに似ていると思いました(比較してゴメンナサイ…)。ブレスの仕方とか声の震え方が特に。
セツコさんの歌声は力強さがあるのと同時に澄み切った感じの印象があると思いました。↓の曲(リルビィ)ではバンドサウンドに相まってすごく気品のある歌声になっています。すごい”東京事変”感があります。個性が爆発した感じというか。
ワードセンスに関しても、非常にクールなイメージを抱きました。
個人的にはクールな楽曲がすごく際立っているユニットだと思います(全曲好きですが)。こじゃれた感じに振り切ってほしいような気もします。これからどんな方向に行くのか凄く楽しみです。
まとめ
今回は独断と偏見でネット中心に活動しているアーティストを紹介していきました。今回紹介したアーティスト以外にも、紹介したいアーティストさんはいっぱいいるので、時間があったら書きたいと思います。(Eveさんとか美波さんとか、紹介したいアーティストめっちゃいます)
今後も有名なボカロP(作曲家)さんが自分で歌ったり、シンガーソングライターさんとユニットを結成して活動する、というケースは増えていくと思います。これを機にオリコンチャートと売り上げランキングばっかり気にしている日本のくだらない音楽シーンにムーブメントが起きることを切に願っています。
ではでは~