一年に一度発表される「次にくるマンガ大賞」。みなさんはチェックしていますか?今回は「次にくるマンガ大賞2019」でコミックス部門一位だったあの作品について紹介したいと思います!
目次
1.コミックス部門一位は「薬屋のひとりごと」!
2.同じ作品が2つ?
3.コミカライズを二社でする意図って?
まとめ
1.コミックス部門一位は「薬屋のひとりごと」!
「次にくるマンガ大賞2019」コミックス部門一位は「薬屋のひとりごと」でした。「薬屋のひとりごと」は薬屋の猫猫が続々と事件を解決していく推理要素と、猫猫と壬氏の恋模様を描く恋愛要素を兼ね備えた作品です!一位を取るのも納得の作品です。
もともとは「小説家になろう」で連載されていた作品です。「小説家になろう」とは無料で利用できる小説投稿サイトであり、プロアマ問わず多くの作品がサイトに投稿されています。「小説家になろう」発で書籍化された有名な作品はいくつもあり、「転生したらスライムだった件」や「Re:ゼロから始める異世界生活」が代表例です!最近、アニメで盛り上がっている作品は「小説家になろう」発が多く、「小説家になろう」作品がメディアを賑わせているといっても過言ではありません。興味を持ったら要チェックです!
2.同じ作品が2つ?
「次にくるマンガ大賞2019」で受賞したことからわかる通り、「薬屋のひとりごと」はコミカライズされています。ねこくらげ先生の作画により、月刊ビッグガンガンで連載され、スクウェア・エニックスから出版されています。
あれ?
いざ本屋に行ってみると、「薬屋のひとりごと」が小学館のコーナーに置いてあります。スクウェア・エニックスが出版しているはずなのに!
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なんと2社同時にコミカライズされてるんです!
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小学館からも倉田三ノ路先生の作画で出版されています。こちらは月刊サンデーGXで連載されています。
2つの作品は日向夏先生による原作をコミカライズしたという点では同じです。ただ表現の仕方に差が表れています。それぞれの作品で構成が異なっているため、違った作品展開を楽しむことができます。


3.コミカライズを二社でする意図って?
コミカライズを二社でおこなった理由は作者および出版社からは明言されていません。そのため、いくつかの推測をおこなってみました。
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一つ 競争としての同時出版
出版社は、いつも他社と競争を繰り広げています。そこで、同時出版という手段をとることで、インパクトを与えるだけでなく、他社に利益を独占させないようにしたのではないでしょうか。作者さんとしても原作の提供にとどまるため、そこまで負担の増加にはならず、今回同時出版が実現したのではないでしょうか。
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二つ 広告宣伝費が浮く
同時出版は珍しく、それだけで宣伝効果を持ち合わせています。今回、「次にくるマンガ大賞2019」を受賞したのはスクウェア・エニックス版ですが、これによって「薬屋のひとりごと」の知名度は大幅に上がり、小学館も恩恵を受けることができそうです。一般的に周知されてる作品は週間誌に連載されている作品が多く、月刊誌を周知させることは少々骨が折れます。そのため、二社で同時にコミカライズすることにより、お互いの広告宣伝費を減らせることは大きなメリットになるのではないでしょうか。
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三つ目 漫画家の成長機会の創出
二作品は異なる構成で書かれているため、読者にそれぞれ異なった楽しみを与えることができると先述しましたが、同時に漫画家さんにとっても同じ作品を他の漫画家さんが書いているものを読むことで多様な解釈を理解できます。連載をしている漫画家さんにとってはこのような機会を設けることは難しく、貴重な成長機会に繋がるのではないでしょうか?
また、単純に作品に関わる人が倍になるため、より多くの漫画家さんのデビューにもつながるかもしれません。
まとめ
「次にくるマンガ大賞2019」で受賞するなど、作品として高い評価を得ている「薬屋のひとりごと」が、二社でコミカライズ版を出版するという珍しい取り組みをおこなっています。「薬屋のひとりごと」の同時出版の施策が上手くいけば、今後複社間でコミカライズされる作品が増えそうです。
これはより多くの人に作品を読んでもらう機会が増えるという、原作者さんにとっては非常にうれしい状態に寄与するでしょう。
ちなみに、スクウェア・エニックス版はマンガUPに、小学館版はマンガワンにそれぞれ無料で掲載されているので、ぜひ読み比べてみてください!